過去の日本には、今以上に優れた技術があったんよ。
日本が誇る、古の職人の神業を知りたいのなら『古代日本の超技術』がオススメやで
魅力① 技術畑の著者だからこそ光る、歴史の覗き方
こーいう歴史ジャンルの本ってさ、予備校の講師だったり、その道の学者さんが書いてるパターンが多いんよ。
でも、この本は違う。
著者である、志村史夫さんは元々半導体を研究してた人なんよ。
つまり技術者特有の目線で、日本の歴史に向き合ってくれる。これって何気にすごくてさ。ちょっと本文を引用するで。
三内丸山遺跡で出土した翡翠の太珠(大型の玉)には、現代にも通じる、あるいは現代の技術をも凌駕する超高度の穿孔(孔あけ)技術が見いだされるのである。
『古代日本の超技術』p31より引用
「三内丸山遺跡で翡翠の玉が出てきた?ふーん」
「いや、目の付け所は翡翠の玉じゃない。翡翠に空いてる穴やで!」
「は?」
「翡翠の玉に穴を穿つのはすごくてな!翡翠はすごい硬いから、穴を開けるのも難しい。でも、それらしい道具が、」
ほら、一般ピーポーとは目の付け所が違うやろ?
いつもと違う、歴史の見方を手に入れるのも乙なもんよ。
魅力② 昔の日本の建築様式から、日本文化の特徴が分かる。
他にも、日本に残る建築物のすごさを教えてくれる。
どーいうことかっていうとな、現代以上に優れてるものが多いからよ。
なんなら海外と比べても、引けを取らんと思うで。
でもこの本では、ただ建築物の素晴らしさを語るだけじゃない。
建築技術、あるいはモノを作るもとになる材料から、大変興味深い考察を残してくれてる。
西洋の文化が石の文化。
なら、日本は何の文化なんやろな。
魅力③ 「なんで素晴らしい技術が途絶えたか」を考えられる
この本に出てくる技は、今でも活かせるであろう技術ばっかりなんよ。
でも悲しいことに、技術は廃れていってるらしい。
なんで、今では廃れていってしまってるのか。あるいは、過去のものを生かすにはどうすればいいのか。
読んだあとに考えてみるのも、自分のためになるで。
読むべき人
- 今までの歴史書とは違う見方で日本史に触れたい人
- 日本文化とは何なのかを知りたい人
- なぜ、優れた技が廃れているのかを考えたい人
日本という国を捉えなおすうえで、もってこいな一冊。
それに限る。
読むべきじゃない人
- 日本史に興味がない人
- 日本文化とかどうでもいい人
- 技術が廃れようが何も思わない人
まとめ
技術という、珍しい視点で日本史に切り込んだ一冊。
日本人を名乗るんなら、読んで損することはないで。
参考情報・参考書籍
古代日本の超技術 志村史夫
コメント