優秀な人間だけが生き残って、劣った人間は死ぬべきなのか。『優生学と人間社会』

おすすめ本
プロフィール
野原
野原

今年で22歳の大学生。
非常勤講師として、塾で働いている。主な担当科目は社会と国語。小学生から高校生まで、幅広い年齢層の生徒に授業を展開している。

本をこよなく愛する読書家。ジャンルに関係なく、「面白そうだ」と思う本を読む。
特に読みがちなジャンルは健康、歴史、経済あたりだろうか。

野原をフォローする

優生学って聞いたことあるかい?

優生学ってのは、優れた人だけを世に残そうとする考え方のこと。

それは、劣ってるとされる人間が子供を産めないようにしたり、命を刈り取られる根拠として使われた。

野原
野原

近代史を考えるうえで欠かせんのに、意外と知られてなかったり。

人類史上の闇の一つ、優生学について知りたいなら『優生学と人間社会』がオススメよ。

魅力① 「優生学がなぜダメな思想なのか」が分かる。

優生学、それ自体はフランシス・ゴルドンが言い出した。

本文を引用させてもらうとな、

「優生学とは、ある人種(race)の生得的質の改良に影響するすべてのもの、およびこれによってその質を最高位にまで発展させることを扱う学問である」

優生学と人間社会p23より
野原
野原

要は、人間の質を高めるための学問って言いたいんやろな。

優生学は、ダメな考え方だって言われがち。

でも、なんで優生学の考え方はダメなのか?

この本には、優生学が引き起こした悲劇の数々が載ってる。だから、是非とも読みながら考えてほしい。

優生学は本当に悪い考え方なのか?

もしそうなら、なんで優生学は悪いと言い切れるんだろうね?

魅力② 「日本がどのように優生学を取り入れていったか」が分かる

主に、ドイツ、北欧、フランス、日本、あとはイギリスとかアメリカ。

これらの国で、優生学関連で何があったのかが書いてある。

野原
野原

何気に、複数の国の優生政策を比べられる本ってあんまりないんよ。ここも魅力の一つやな。

・・・。

・・・・・日本が入ってるの、もしかしたら意外かな?

実はさ。

日本における、少子高齢化の原因は優生学やで。

実は、日本は少子化を目指していた
実は1974年に、日本ははっきりと少子化を目指す政策を打ち出していました。同年に厚生省の諮問機関である人口問題審議会は、人口白書で出生抑制を主張しています。73年にオイルショックがあって、資源と人口に関する危機感が高まっていたからです。
人口問題審議会 資料
国立社会保障・人口問題研究所
野原
野原

人口白書「日本人口の動向ー静止人口をめざして」で、人口が減った理由として『出生制限の普及』が原因として挙げられてんのよ。知ってた?

この本は、そこまでドストレート書いてない。

でも、いかに優生学が日本に影響を及ぼしていったかは書かれてるよ。

もちろん、日本以外の国と比べるのもいい勉強になるで。

魅力③ 優生学は今でもあるのか

優れた人だけを世に残そうとする考え方、これが優生学やね。

それはつまり、こういうことでもある。

「人と比べて能力が劣る人間は、生きてはいけない」

野原はな、優生学は今でも残ってると思う。

障害者施設殺傷事件なんて痛ましい事件が、それを証明してる。

「優生思想」は現代社会に脈々と息づいている
「戦後最悪の犠牲を出した殺人事件」として全国を震撼させた相模原市の障害者施設殺傷事件。2カ月余り(執筆時)が経ったいま、メディアで取り上げられる機会は少なくなり、障害のある人や家族などを除いては、人…

作者も同じように、優生学は過去の出来事だとは思ってないらしい。

じゃあ、作者はなんで優生学は今もあると思ってるのか?

この本を読んだうえで、考えてほしい。

優生学は、現代でも生きているのか?

未来でも生き続けるのか?

歴史は繰り返す。でも、歴史を学ぶことはできる。

学びを生かすも殺すも、どうぞ自由に。

だけど、この本を読んだら世界の見え方が変わることだけは保証するよ。

読むべき人

  • 人類史の闇を知りたい人
  • 各国の優生政策を比べてみたい人
  • これからの人間の未来を考えてみたい人へ

優生学、これはある種のタブーなんよ。

でも、そーいう扱いをされるモノこそ、目をそらしちゃいけない。ちゃんと向き合えるんなら、きっと得られるもんがあるさ。

読むべきじゃない人

  • 人類史の闇とか、どうでもいい人
  • 優生学に興味ない人
  • 人間の未来とか興味ない人

まとめ

悲劇ってのは、やっぱり辛い。でも、事実は事実。

だからこそ受け入れて、考えて、前に進むことが大切なんじゃないかな。

参考情報・参考書籍

「優生思想」は現代社会に脈々と息づいている
「戦後最悪の犠牲を出した殺人事件」として全国を震撼させた相模原市の障害者施設殺傷事件。2カ月余り(執筆時)が経ったいま、メディアで取り上げられる機会は少なくなり、障害のある人や家族などを除いては、人…
実は、日本は少子化を目指していた
実は1974年に、日本ははっきりと少子化を目指す政策を打ち出していました。同年に厚生省の諮問機関である人口問題審議会は、人口白書で出生抑制を主張しています。73年にオイルショックがあって、資源と人口に関する危機感が高まっていたからです。
人口問題審議会 資料
国立社会保障・人口問題研究所

『優生学と人間社会 生命科学の世紀はどこへ向かうのか』 米本昌平 松原洋子 ぬで島次郎 市野川容孝

プロフィール
野原
野原

今年で22歳の大学生。
非常勤講師として、塾で働いている。主な担当科目は社会と国語。小学生から高校生まで、幅広い年齢層の生徒に授業を展開している。

本をこよなく愛する読書家。ジャンルに関係なく、「面白そうだ」と思う本を読む。
特に読みがちなジャンルは健康、歴史、経済あたりだろうか。

野原をフォローする
おすすめ本思想歴史
野原をフォローする
野原の脳みそ畑

コメント

タイトルとURLをコピーしました