今でもマルクスの社会主義を崇めたてようとする人はいる。
共産主義ってのは、「貧富の差なんて無くそう。みんなが貧しくない平等な社会を作ろう!」って考えのことやで。
でもな、社会主義に入れ込むのはやめとけ。
なんで、社会主義がダメなのか?
それを知りたいなら、『文化防衛論』って本がオススメよ。
魅力① 歴史の見方が180度変わる
まずさ、この本の作者が有名な人なんよ。
三島由紀夫、この人はバリバリの右翼やねん。
ざっくり説明すると・・・。
右翼ってのは、「伝統を守りたい」人たち。左翼は「自由で平等な新しい世界を作りたい」人たちのことを言うで。
しかも、亡くなり方が特殊でさ。
切腹自殺なの。
江戸時代ならまだしも、第二次世界大戦後なんよ・・・。
なかなか、こう・・・癖の強い人物なのは伝わったんじゃない?
でも、物凄く頭がいい人やったし、物事の本質を見ていた人物でもあった。
で、作者は主張しだすわけ。
「反革命、反進歩、反社会主義。」
なんで、そんな主張がまかり通るのか。その根拠がどこにあるんか。
気になるのなら、読んでみなされ。
魅力② どのように今を守るのか
ぶっちゃけると、この本のメインテーマはここなんよな。
革命、進歩なんぞバカバカしい。だから、その二つから生まれる社会主義はカイブツだ。
そういうんなら、一体どんな風に生きてくべきなのか?
どのように今ある文化を守るのか?
反革命、反進歩、反社会主義の果てに、作者は何を考えたんやろな?
魅力③ 当時の学生との語らい
野原的に一番分かりやすくて、面白いところ。それが、学生の質問に答えてるティーチ・インやな。
なんでかって?
学生相手やからか、言葉遣いがあんまり硬くなくて分かりやすい。
あんまりってのが、ミソ。
「いい大学に通う人間って、こんなに小難しい言葉を平気で使うんやなあ。」
「でも、語彙力=賢さじゃないんやなあ。おもろ。」
「もっとさあ、質問を簡潔にしろや。長いわ!」
「少し前に質問してたことと同じこと聞いてんじゃねぇよ。」
「対話が成立してないんやけど・・・。」
ということで、ですね。
いい大学に入学した=賢いではないということを、とにかく見せつけてくれる。まぁ、たまーにキラリと光る質問が来るので、侮れんけども。
ちなみに、病院を抜け出してきた学生も登場するよ。
ただ、このティーチインが面白い理由はさ。学生と作者が話し合ってるからじゃないんよ。
ティーチ・インが行われた時の社会を踏まえてみると、面白いの。
ティーチ・インをやってた時って、学生運動があった時期やねん。
学生運動があった時期ってさ、めっちゃ社会主義が流行ってん。やから、学生のほとんどは社会主義者って言っていいくらい。
なんやったら、教師も社会主義者やったりするわけ。
けど、この作者は社会主義を嫌ってる。
社会主義は左翼に分類される。でも、作者の考え方は伝統を重んじる右翼なんよ。
つまり、
社会主義者(大学生)vs反社会主義者(作者)
という、対立があるんよ。
こーいう対立を感じさせる発言があるから、その辺に注意しながら読んでみ。面白いから。
しかも、たまに作者が学生に対して容赦なさすぎるのが、またオモロイんよ。
茨城大学の学生Fに対する、「あなたみたいな人間が文化を破壊するんだよ(意訳)」がクリティカルダメージ与えすぎな件について。
学生運動があったころの雰囲気とか、当時の学生の考えが知れて面白いで。
読むべき人
- 社会主義がダメな理由を知りたい人
- 「反革命」「反進歩」「反共産主義」からどう結論に持ってくるのか興味がある人
- 学生運動(1960ー1970年くらい)の雰囲気を知りたい人
なぜ社会主義がダメなのか、社会主義がダメならどーいう生き方をするべきなのか。
そこに興味があるなら見るべし。
読まないほうがいい人
- 社会主義に興味がない人
- 皆が言うことが正しいと信じたい人
- 学生運動とかどうでもいい人
まとめ
作者は狂人として扱われた人物やな。
でも、世の中とは逆さまな考え方にも一理はあるんかもしれん。
参考情報・参考書籍
文化防衛論 三島由紀夫
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