未来のためだけに行動する社会主義は、なぜ失敗するのか 『文化防衛論』

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野原
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今年で22歳の大学生。
非常勤講師として、塾で働いている。主な担当科目は社会と国語。小学生から高校生まで、幅広い年齢層の生徒に授業を展開している。

本をこよなく愛する読書家。ジャンルに関係なく、「面白そうだ」と思う本を読む。
特に読みがちなジャンルは健康、歴史、経済あたりだろうか。

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今でもマルクスの社会主義を崇めたてようとする人はいる。

野原
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共産主義ってのは、「貧富の差なんて無くそう。みんなが貧しくない平等な社会を作ろう!」って考えのことやで。

でもな、社会主義に入れ込むのはやめとけ。

なんで、社会主義がダメなのか?

それを知りたいなら、『文化防衛論』って本がオススメよ。

魅力① 歴史の見方が180度変わる

まずさ、この本の作者が有名な人なんよ。

三島由紀夫、この人はバリバリの右翼やねん。

野原
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ざっくり説明すると・・・。

右翼ってのは、「伝統を守りたい」人たち。左翼は「自由で平等な新しい世界を作りたい」人たちのことを言うで。

しかも、亡くなり方が特殊でさ。

切腹自殺なの。

三島由紀夫の割腹自殺、演じられたその死…昭和45年「三島事件」をカラー化
【読売新聞】 読売新聞の夕刊企画「Color the News」では、モノクロ(白黒)で残された昔のニュース写真を、AIの力を借りてカラー化している。 今回は、1970年(昭和45年)11月25日に起こった「三島由紀夫割腹事件」のニ
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江戸時代ならまだしも、第二次世界大戦後なんよ・・・。

なかなか、こう・・・癖の強い人物なのは伝わったんじゃない?

でも、物凄く頭がいい人やったし、物事の本質を見ていた人物でもあった。

で、作者は主張しだすわけ。

反革命、反進歩、反社会主義。

なんで、そんな主張がまかり通るのか。その根拠がどこにあるんか。

気になるのなら、読んでみなされ。

魅力② どのように今を守るのか

ぶっちゃけると、この本のメインテーマはここなんよな。

革命、進歩なんぞバカバカしい。だから、その二つから生まれる社会主義はカイブツだ。

そういうんなら、一体どんな風に生きてくべきなのか?

どのように今ある文化を守るのか?

反革命、反進歩、反社会主義の果てに、作者は何を考えたんやろな?

魅力③ 当時の学生との語らい

野原的に一番分かりやすくて、面白いところ。それが、学生の質問に答えてるティーチ・インやな。

なんでかって?

学生相手やからか、言葉遣いがあんまり硬くなくて分かりやすい。

野原
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あんまりってのが、ミソ。

「いい大学に通う人間って、こんなに小難しい言葉を平気で使うんやなあ。」

「でも、語彙力=賢さじゃないんやなあ。おもろ。」

「もっとさあ、質問を簡潔にしろや。長いわ!」

「少し前に質問してたことと同じこと聞いてんじゃねぇよ。」

「対話が成立してないんやけど・・・。」

ということで、ですね。

いい大学に入学した=賢いではないということを、とにかく見せつけてくれる。まぁ、たまーにキラリと光る質問が来るので、侮れんけども。

野原
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ちなみに、病院を抜け出してきた学生も登場するよ。

ただ、このティーチインが面白い理由はさ。学生と作者が話し合ってるからじゃないんよ。

ティーチ・インが行われた時の社会を踏まえてみると、面白いの。

ティーチ・インをやってた時って、学生運動があった時期やねん。

一 学生運動:文部科学省

学生運動があった時期ってさ、めっちゃ社会主義が流行ってん。やから、学生のほとんどは社会主義者って言っていいくらい。

なんやったら、教師も社会主義者やったりするわけ。

けど、この作者は社会主義を嫌ってる。

野原
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社会主義は左翼に分類される。でも、作者の考え方は伝統を重んじる右翼なんよ。

つまり、

社会主義者(大学生)vs反社会主義者(作者)

という、対立があるんよ。

こーいう対立を感じさせる発言があるから、その辺に注意しながら読んでみ。面白いから。

しかも、たまに作者が学生に対して容赦なさすぎるのが、またオモロイんよ。

野原
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茨城大学の学生Fに対する、「あなたみたいな人間が文化を破壊するんだよ(意訳)」がクリティカルダメージ与えすぎな件について。

学生運動があったころの雰囲気とか、当時の学生の考えが知れて面白いで。

読むべき人

  • 社会主義がダメな理由を知りたい人
  • 「反革命」「反進歩」「反共産主義」からどう結論に持ってくるのか興味がある人
  • 学生運動(1960ー1970年くらい)の雰囲気を知りたい人

なぜ社会主義がダメなのか、社会主義がダメならどーいう生き方をするべきなのか。

そこに興味があるなら見るべし。

読まないほうがいい人

  • 社会主義に興味がない人
  • 皆が言うことが正しいと信じたい人
  • 学生運動とかどうでもいい人

まとめ

作者は狂人として扱われた人物やな。

でも、世の中とは逆さまな考え方にも一理はあるんかもしれん。

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参考情報・参考書籍

三島由紀夫の割腹自殺、演じられたその死…昭和45年「三島事件」をカラー化
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https://www.tufs.ac.jp/common/archives/TUFShistory-5-2-1.pdf
一 学生運動:文部科学省

文化防衛論 三島由紀夫

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今年で22歳の大学生。
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