優生学って聞いたことあるかい?
優生学ってのは、優れた人だけを世に残そうとする考え方のこと。
それは、劣ってるとされる人間が子供を産めないようにしたり、命を刈り取られる根拠として使われた。
近代史を考えるうえで欠かせんのに、意外と知られてなかったり。
人類史上の闇の一つ、優生学について知りたいなら『優生学と人間社会』がオススメよ。
魅力① 「優生学がなぜダメな思想なのか」が分かる。
優生学、それ自体はフランシス・ゴルドンが言い出した。
本文を引用させてもらうとな、
「優生学とは、ある人種(race)の生得的質の改良に影響するすべてのもの、およびこれによってその質を最高位にまで発展させることを扱う学問である」
優生学と人間社会p23より
要は、人間の質を高めるための学問って言いたいんやろな。
優生学は、ダメな考え方だって言われがち。
でも、なんで優生学の考え方はダメなのか?
この本には、優生学が引き起こした悲劇の数々が載ってる。だから、是非とも読みながら考えてほしい。
優生学は本当に悪い考え方なのか?
もしそうなら、なんで優生学は悪いと言い切れるんだろうね?
魅力② 「日本がどのように優生学を取り入れていったか」が分かる
主に、ドイツ、北欧、フランス、日本、あとはイギリスとかアメリカ。
これらの国で、優生学関連で何があったのかが書いてある。
何気に、複数の国の優生政策を比べられる本ってあんまりないんよ。ここも魅力の一つやな。
・・・。
・・・・・日本が入ってるの、もしかしたら意外かな?
実はさ。
日本における、少子高齢化の原因は優生学やで。
人口白書「日本人口の動向ー静止人口をめざして」で、人口が減った理由として『出生制限の普及』が原因として挙げられてんのよ。知ってた?
この本は、そこまでドストレート書いてない。
でも、いかに優生学が日本に影響を及ぼしていったかは書かれてるよ。
もちろん、日本以外の国と比べるのもいい勉強になるで。
魅力③ 優生学は今でもあるのか
優れた人だけを世に残そうとする考え方、これが優生学やね。
それはつまり、こういうことでもある。
「人と比べて能力が劣る人間は、生きてはいけない」
野原はな、優生学は今でも残ってると思う。
障害者施設殺傷事件なんて痛ましい事件が、それを証明してる。
作者も同じように、優生学は過去の出来事だとは思ってないらしい。
じゃあ、作者はなんで優生学は今もあると思ってるのか?
この本を読んだうえで、考えてほしい。
優生学は、現代でも生きているのか?
未来でも生き続けるのか?
歴史は繰り返す。でも、歴史を学ぶことはできる。
学びを生かすも殺すも、どうぞ自由に。
だけど、この本を読んだら世界の見え方が変わることだけは保証するよ。
読むべき人
- 人類史の闇を知りたい人
- 各国の優生政策を比べてみたい人
- これからの人間の未来を考えてみたい人へ
優生学、これはある種のタブーなんよ。
でも、そーいう扱いをされるモノこそ、目をそらしちゃいけない。ちゃんと向き合えるんなら、きっと得られるもんがあるさ。
読むべきじゃない人
- 人類史の闇とか、どうでもいい人
- 優生学に興味ない人
- 人間の未来とか興味ない人
まとめ
悲劇ってのは、やっぱり辛い。でも、事実は事実。
だからこそ受け入れて、考えて、前に進むことが大切なんじゃないかな。
参考情報・参考書籍
『優生学と人間社会 生命科学の世紀はどこへ向かうのか』 米本昌平 松原洋子 ぬで島次郎 市野川容孝
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